2013年4月20日土曜日

日帰りグルメ旅行

日帰りグルメ旅行 in 伊豆   平成25年4月19日 

 ママさんの「どっか連れてケ!」コールにお答えし、日帰りで伊豆へ行く事になった。
お邪魔虫の娘も一緒だ。決まっていたのは、帰りに三島でウナギを食す事だけで、後は
ノープランの気まま旅、取り合えず伊豆へと向かった。

 伊豆中央道を南下して行く途中”修善寺”の標識を見て、久し振りに寄ってみたくなり
下道に下りた。娘は他愛無く川の中州にある独鈷の湯に足を浸し、携帯をいじりながらも
寛いでいるようだった。何度も、こちらに来ているのに縁が無かった修善寺へと二人を誘い
寺の階段を上がった。この寺は、岡本綺堂の「修善寺物語」でも名高い。
 
 左手にある鐘楼を観ただけで古刹と判かった。見事に何層にも組まれた斗組、傍の
百日紅は、今まで見た事がない程の銘木、境内を石に彫られた達磨さんが眺めていた。
右手にある手水舎の竜口から落ちる水は、何とお湯!温泉水、さすが湯処だ。
 宝物殿もゆっくり見学させて頂いたが、中には鎌倉幕府2代将軍の源頼家のゆかりの品や
不動明王立像が展示されていた。頼家が使ったとされる鞍は、多少剥げてはいたが螺鈿細工が
施され工芸品のようだった。それにしても小さい、着物や道具を見て昔の人は小さかったのが
分かるが、行動力とその範囲は車や飛行機を使う現代人を遥かに超越している。




 二人がみやげ店を眺めている間にタブレットを使い戸田港”の一食堂”を検索し昼食の
予約をした。達磨山を走っていると30数年前にフィードバックした、子供達3人を引き連れ
海水浴に向かう時、車に弱い娘を励ましつつ、暑さの為の汗か冷や汗か分からぬが親も多分
蒼くなりながら、長い峠道の続くこの地を選んだ事を後悔したのを想い出した。それも今は
楽しかった想い出で、今となれば大切な家族の財産だ。そんな事を車中で話したら娘もその
時の事を想い出し、あの時は辛かったよ~!と一言。



 伊豆中央道を走りながら一番目のグルメは決まっていた。
戸田のタカアシガニだ、このカニはここでしか食べられない。何せ、生簀にいるものを
ボイルするのだから旨いに決まっている、殻から身を出し、左手を腰に手をあてがい
右手でカニを釣るして咥えつくポーズで娘と撮影大会、傍のママさんに笑われた。
その写真は恥ずかしいので掲載ゴメンである。駿河の海に大感謝だ!!




 二人がコンビに立ち寄った間、カーナビを見ていると岬の先端にある”戸田造船博物館”が
気になったので行ってみた。岬を回り込み館の前まで行くと車も止まっていないし、大分
古そうで人気が無い。帰ろうとしたら、建物の中で蛍光灯の灯りが見えたので、恐る恐る
尋ねると開館してるとの事、入館料を払い入った。この造船博物館が出来たのは1968年
だそうから45年程経っている。村立博物館は珍しいもので、当時2500万掛かったそうだ。
国は元より、県・造船会社等から寄付を募り、旧ソビエトからも500万円頂いたそうだ。

 1854年、ペリー艦隊が下田を去って4ヶ月後、ロシアのプチャーチン提督が、皇帝
ニコライ一世の命令でディアナ号に乗って来航した。1854年11月第1回目の日露交渉が
福泉寺において開かれたが11月4日午前に安政の大地震が発生し、大津波が下田を襲った。
この津波ためディアナ号は、自力航行不能になり、西伊豆の戸田へ修理のため数百隻の小船で
曳航中、風と波により救助活動もむなしく宮島村沖で沈没してしまいました。
乗員約500人は全員救助され戸田へ収容された。

 代わりに船を建造したのは上田寅吉など戸田の船大工ら延べ約百三十人。言葉の壁を乗り越え
三カ月で百㌧ほどの帆船を完成させ、プチャーチン提督は洋式帆船をヘダ号と命名旧ソビエトに
帰還出来ました。以来、ロシアとの友好関係が続いているのだそうだ。
 
 思い掛けなく立ち寄った造船博物館で色々と勉強させて貰ったが、気になったのは
何気なく壁に掛けられた東海沖地震状況だ。1604年・1707年・1854年、もう
159年間来ていない、3、11の津波が・・・宝永の噴火が・・・心配の種は尽きないが
日本列島に住まう者は天変地異は切り離せない宿命だ、そんな環境が世界に類を見ない助け合いの
精神を育んで来たのも事実だ。備えよ常に・・を忘れず、その時を待つしかないだろう。



 ママさんのリクエストで堂ヶ島まで足を伸ばした。



 西天城峠を行き帰りして思ったのは「昔と変わっていない」と云う事である。
伊豆中央道の進捗状況もそれほど進んでいない、費用対効果もあろうが中央道路から
左右にトンネルで伊東へ、また堂ヶ島へと行けるアクセスを作らない限り、伊豆半島は
寂れて行く事だろう、伊豆が好きなだけに心配だ。2番目のグルメ桜屋の鰻重を食しながら
思うのだった。日帰りの旅ではあったがリフレッシュ出来て、また、昔を想い出したり
カニもウナギも堪能し、充実した1日であった。